2014年に作られた番組が、先週の土曜日に再放送されていました。マリモの特集。ここ数年あさドラといくつかの番組しか見ていません。番組欄でたまたま目に入ったものを録画してみるくらいです。録画してあったマリモの番組、昨日見ました。2013年に阿寒湖に行っているので、1年間の長期撮影という事はその頃作られた物、より親しみを感じました。
子供達が瓶に入ったマリモを見てかわいいと言う映像から始まりました。ほんと、かわいいです。この時点で既に阿寒湖はマリモの最後の大群生地になっていました。かつて世界一のマリモの群生地として有名だったアイスランドのミーバトン湖は殆ど絶滅状態でした。原因は町の工場の排水でした。水質が悪化して水草が激減し、それを餌としているユスリカが減ってしまったのです。ユスリカの幼虫は口から糸を出して泥を固める習性がありますが、減ったために湖底の泥が柔らかくなって波で動いてマリモを覆ってしまい光合成が出来なくなって、徐々にではなく、一気に崩壊へと進んでしまったのです。
マリモがいなくなってしまい、アイスランドで最も自然豊かな湖だったミーバトン湖は変わってしまいました。マリモが減ったことで、マリモをすみかとする魚や餌にしていた渡り鳥も減りました。マリモは環境の変化を敏感に感じ取る生き物で、自然に異変が起きていることを私達に警告していると、マリモのミーバトン研究所のエイナルソンさんは話していました。10年ほど前は2000万個もいたミーバトン湖のマリモ、2014年には2個しか見つかっていませんでした。そんなにも簡単に自然は破壊されていくのだと知りました。排水にどういう物質が含まれているのかわかりませんが、恐ろしいことです。
阿寒湖のマリモも南側の群生地は、戦前戦後の温泉街の開発により無くなってしまいました。30年前から水の浄化に取り組み、北側は立ち入りを厳しく制限して手付かずの大自然を守り、マリモを守っています。そして、今、阿寒湖は世界中でただ一つのマリモの群生地となっています。
人が入れば、自然は壊されてゆく。知る人ぞ知るというような、こんな所にまでと思うような場所にもゴミが落ちています。何ができるのかわかりませんが、美しい自然を大切にしたいと思う気持ちは持っていたいと思います。
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